ソールからトレイルを選ぶ inov8新作

トレイルランニングのコースは路面、距離、獲得標高などの要素が絡み合っており、その日の天候も合わせてシューズを選ぶことから始まります。
シューズはそういった複雑な要素に対してどこに強みを出せるかがポイントになるわけですが、その核となるのはソール。ソールを見ればそのモデルがどんな意図で開発されたのかが一目瞭然になります。

今週はinov8から新作トレイルシューズが3型入荷してきましたので、トレイルの代表的な難関ポイントをクリアする上でどんなソールが適しているのかを見ていきたいと思います。

泥炭地を走る


雨が降ったり水場が近かったりすると路面がぬかるんで滑りやすくなるもの。
梅雨時の大会などでは普通のトレイルシューズでは滑落の危険さえ出てきます。
X-TALON 255は8mmのラグを装備し、ぬかるみを駆け抜けるための強い味方となるグリップが真骨頂。アッパーもバリスティックナイロンを採用しているので強度、防水性共に優れているので安心です。

一つ前に出たX-TALON ULTRAは長距離を意識したモデルで走力は高いものの、ソールがとても硬く履き疲れしやすいのが難点、X-TALON 255のソールはミッドソールに反発性と柔軟性がある素材を使用し、写真のように縦方向にも横方向にも曲がりやすくなっているのが特徴。バネがある上にしなる感じは粘り強く路面にくらいつきながらも、着地の足癖に寄り添う懐の深さを感じます。
ドロップ3mmにスタックハイト8mmと低い位置をとり、裸足に近い感覚で路面を感じながら走れるモデルです。

ガレ場を走る

岩壁や沢が崩壊して大小さまざまな岩や石がゴロゴロ散乱している斜面がガレ場。
石の突き上げが危険で走りにくく危険です。
TRAILROC G280はガレ場を切り抜けるために細かな突起を多く配置してグリップを確保し、アウトソールに鉄の200倍の強度を持ちながら曲げ伸ばし可能な素材「グラフェン」を搭載し、耐久性を両立させました。

ソールを見ると衝撃から足を守るために、屈曲性は前足部のみでとてもハード。
しかしながらミッドソールにクッション性の良い素材を採用したことで足を入れると見た目とは裏腹に柔軟性のある履き心地でちょっとした驚きがあります。
アッパーもメッシュながら耐久性の強いものを採用して岩場での安全性を向上。
スタックハイトは20mmともっとも高めで岩盤から距離をおいて走れます。

ウルトラトレイルを走る

トレイルランニングのロングレースでは山の上り下りだけでなく、山をつなぐ道路も多く走ることになりランニングの要素が高くなる。登坂力と走力を合わせた総合力が求められます。
TRAILTALON 290V2は厚底で豊かなクッションと浅めのラグが長時間ランニングをこなしやすくし、しっかりしたグリップも併せ持ったオールラウンダー。

ソールを見ると前足部に屈曲性があることで蹴り出しをスムーズにし、踵の厚みは長時間走の疲れをサポート、下りの衝撃も緩和してくれます。
ロゴのついた中足部にシューレースと一体化したアダプターがあり、締めることで足との一体感を高めてコントロールよく走れるのが特徴。
今回のアップグレードからメーカーでもロードトレイル両用を謳っているinov8を代表するモデルです。

まとめ

目標とする大会や良く行くトレイル環境に合わせてソールからシューズを選ぶのが今回の企画。
まとめると
泥炭地をグリップの強さと路面に食らいつく柔軟性でクリアするのがX-TALON 255
岩盤やガレ場をスーパーハードなソールプラス快適インソールで走破するのがTRAILROC G280
ウルトラトレイルを厚みのあるクッションとアーチサポートで駆け抜けるのがTRAILTALON 290V2

となります。

加えて、最新のトレイルシューズのソールはギアとしての突破力だけでなく、高い快適性への工夫も盛り込まれていることが今回のinov8の3モデルをみて浮き彫りになりました。

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